【開催レポート】審査員体験会(福岡東地区大会)

2023年10月26日木曜日

10月8日(日)のブルグミュラーコンクール福岡東地区大会にて、審査員体験会が行われました。
指導を担当された熊本美由紀先生より開催レポートが届きましたので、ご紹介させていただきます。



今年も開催地区が増え、秋になると毎週のように福岡佐賀長崎のホールでブルグミュラーの音楽が奏でられています♪

そんな中、ブルグミュラーコンクール福岡大会行事【審査員体験会】を福岡東地区大会で行いました。


今回はご指導歴・実績もおありの先生方が3名参加され、私は『指導担当』として、運営・アドバイスをさせて頂きました。
昨年は20代で講師歴短い先生向けでしたが今年は指導歴・実績もおありの先生方。
全く先生方のご状況違われましたで、今回ご参加される先生方が、この機会をより充実したものにして頂ける内容を考えました。


🔶スケジュール🔶

0.参加の為の課題
1.審査前レクチャー
2.審査体験
3.審査後レクチャー

この流れで進めました。



🔸0.参加の為の課題🔸

3つの質問!
ご自身がどのように考えていらっしゃるかをご自身で知って頂き、体験会が一方通行ではなく、参加型によりその時間がより充実したものになり、その後のご指導に役立てて頂きたいと考えた質問です!

①生徒さんの講評用紙の内容で、1番嬉しく印象に残っているのはどんな内容ですか? 逆に、印象が悪かった内容が有れば、教えてください。(無ければ大丈夫です)

②審査をする時に演奏のどんな所を意識して評価しますか?(複数回答OK)

③講評を書く時に、どんな点に気を付けて書きますか?(複数回答OK)



🔸1.審査前レクチャー🔸

審査前レクチャーでは、[参加の為の課題]をみなさんでシェアしました。
ご指導・ご実績のおありの先生方なので具体的な内容でお互いに共感されることや参考にされることがおありでとても濃い時間になりました。

シェア会で上がったお話しをご紹介します。


【印象に残る嬉しい講評は?】

・生徒さんと一生懸命取り組んだ所が伝わっている時
・曲作りについて、音作りについて褒めて頂いた時
・頑張りを褒めてくださり、自信の無かった生徒さんが安心された時
・大きな生徒さんで、何度言っても直さない所を指摘され、素直に入れてくれた時


【印象が悪かった講評は?】

・点数が悪いのに、内容褒めたことしか書かれてなくて、何が悪かったかわからない時
・点数は良くて嬉しいけれど、よかったです!お上手です!だけで何が良いのか分からない時


【今日はどんな講評を書きたいですか?】

・生徒さんの良い所、今後つながることを書いて、講評を読んだ時に、これからの練習に役立ち、コンクールに出てよかったと、思ってもらえる内容


この時点で、審査に対する意識がはっきりされ、あとは実践して吸収して頂く準備が整いました。
そして、点数の基準、準備するもの、回収など必要な事を資料で説明して、いざ審査会場へ。



🔸2.審査体験🔸

小学3・4年A部門
小学3・4年B部門
小学1・2年A部門
小学1・2年B部門
(審査順)

を実際に審査して頂きました。



🔸審査後レクチャー🔸

1.審査を体験しての感想
2.採点公開による気づき
3.講評公開による気づき
4.指導講師よりまとめ

実践後の先生方は各々で沢山の気づきをお話しくださいました。思っていた通りだったことややってみると違ったこと。更にはお一人ずつ自分の指導と合わせて etc…

ご意見をまとめて書いてみました。


[審査しての感想のシェア]

・とても短い時間で、自分の考えを言語化するのが難しかったです
・その生徒さんの年齢にあった言葉選びが大変でした
・点数の基準を決めるのが迷いました
・演奏の前半は良いのに後半が残念で、そんな時の点数を迷いました
・審査をするって、予想以上に大変なんだと感じました


[点数・講評の公開による気づき]

3人の先生方の点数をフォームシートに入力し全員で共有しました。点数にバラツキがある演奏番号を選び、講評を読み上げてもらいました。(私の点数・講評も一緒にシェア)

ここでは以下のようなお話しがありました。

・点数の基準が各先生の考えで違うことがわかった
・演奏のどこを聴いているかで、かなり点数が違うことがわかった
・同じような内容でも、表現する言葉選びがお互いにシェアする事で、とても参考になった
・オクターブ違いなどの明らかなミスの点数、講評のこともわかった
 etc…


[体験会全体を通しての先生のご感想]

・細かく丁寧に教えて頂きありがとうございました。審査会に向け様々な鑑定から学ぶがました。今後のレッスンに活かします。
・短い時間の中で審査する難しさを感じました。一生懸命弾いている高得点をつけたくなりますがそこは冷静にと感じました。これからからも頑張ります。
・短い1曲の中で良い点、的確なアドバイス、点数つけるのは難しいけれど、その生徒さん・ご家族・指導者の今後のアドバイスと思うと責任ある仕事だと感じました。貴重な経験、貴重なアドバイスをありがとうございました。


[指導担当講師からのまとめ]

今日はコンクールで審査をするという違う立場を経験されて、新しい気づきが沢山おありになられたと思います。

音楽という芸術分野を評価することはとても難しいことですが、大切なのはことはどう評価するかはご自身がその音楽をどう捉えているかという自分の軸をはっきり持たれることだと思います。それはやはり私達自身が楽譜から読み取って楽曲を理解し、表現法の可能性を持って聴き、その上で参加者が自発性を持って演奏しているかを聴くと、よりその子の意思を感じられると思います。

もう一つ、感じたことを言語化するのは、イメージ力と慣れです!なので、訓練すれば誰でもできるようになります。ただそれも私自身がどう考えているかどう感じてるかをはっきりさせることが、イメージ力を高めるのだと思います。普段のレッスンで、生徒さんの一回弾きや、グループレッスンで弾きあい会をして、講評用紙のように書いて全員に渡すことをやってみてください。

今日の体験を是非、普段から意識され、レッスンで継続的に活かされてください。お疲れ様でしたと締め括らせて頂きました。








最後になりましたが、開催にあたり、大会実行委員長の福本幸子先生、福岡東大会地区代表の中尾和枝先生、ご協力をありがとうございました。

そして、この機会を頂き、私自身も音楽を勉強することを続けていく大切さ、そのことを楽しめる幸せを改めて感じさせて頂きました。心から感謝申し上げます。

審査員体験会 指導担当 熊本美由紀

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